ハッピーロンリーバースデイ

今年の春分の日は例年になく寒く、都内でも雪が降ったそうです。

昼の長さと夜の長さが等しくなる日。(実際には昼の方が少し長いそうですが)

春の到来を告げる日でもあります。

春分の日は祝日の中でも特殊な変動式の祝日で、

年によって3月20日だったり、3月21日だったりします。

3月21日の年は、私にとって当たり年です。

なぜなら、3月21日は私がコウノトリによりキャベツ畑に放置された日。

つまり、誕生日です。

特に意味はありませんが、祝日が誕生日だと縁起がいい気がしません?

最近は20日が春分の日である事が多く、毎年ガッデム状態なのですが、今年は当たり。

イケメン俳優の佐藤健も同じ誕生日。奇しくも埼玉県出身。

やはり彼には近しいものを感じていたでござるよ、薫殿。

何がめでたいのかよくはわかりませんが、

誕生日は一年で一日だけ、生まれてきた事を祝福してもらえる日です。

ケーキ食べたり、プレゼントもらったり、今日だけはちょっとだけ主役気分。

ですが、私は少し自分の誕生日が苦手だったりします。

大したエピソードでもないのですが、大学生時代に遡ります。

大学生時代の私は、絵に描いたような大学デビュー野郎でした。

フワフワ浮かれちまったキョロ充そのもの。あいたたた。

中学高校と男子校での私はのほほんと、ゆったり陰キャラ生活。

小さなコミュニティで仲のいい友人達とキャッキャ過ごしていました。

ですが大学に入学した途端、「あ、キャンパスライフを謳歌しなくちゃ!」と、

色んなコミュニティに参加し、知り合いも大勢、

スケジュールはパンパンのリア充生活を送るようになったのです。

一気に友達が増えた大学一年生くんは、人との繋がりを大切にします。

当時はガラケーでしたが、誕生日が登録されている友達には全員、

誕生日おめでとうメールを送っていました。

当時はデコメールなるものもありましたから、

人によってはそれなりに凝ったメールも送っていたり。

直接会った時はもちろんおめでとうを伝えます。

 

大学生という奴は、やたら誕生日を祝いたがります。

あいつの誕生日プレゼント買いに行こーぜーとか、

サプライズでケーキ用意しとこうぜとか。

こんなの中学高校時代にはありませんでしたよ。

そして、大学一年の3月21日。

祝日ではなかったものの、大学は春休みだし、誰かと会う予定はありませんでした。

何をしていたかは覚えていませんが、僕はきっと期待をしていました。

まあ、別に祝ってもらいたいわけではないけれど、年賀状みたいなもんだし。

 

・・・・・。

 

誰からもメールは来ませんでした。

 

がびーん。

 

広く浅い付き合いの人もいれば、毎日一緒に過ごしてたり、

部活で苦楽を共にした人もいたはずです。

数十人におめでとうメールを送っていました。

でも、誰にも僕のは祝ってもらえませんでした。

ただの、ひとりも。

3月末ごろの誕生日ということで、忘れられがちになるのは仕方ないよね?

早生まれの人はきっと同じ体験をしている人もいるのではないでしょうか。

佐藤健は無さそうですね。おろ〜。

期待する分だけ、ショックも大きくなります。

誕生日だけじゃない、きっと期待してしまって裏切られた人達は山のようにいることでしょう。

もしかしたら、誰しもが通る道なのかもしれません。

期待を裏切られた時は、哀しみの落差が大きく、

期待していなかった時よりもドン底に突き落とされます。

自分の歯並びを気にして、矯正治療を希望した患者様はみな、

コンプレックスから解放されると期待を胸に通院しているはずです。

お金と時間を費やし、痛みと煩わしさに耐えるのは、

健康になれる、キレイになれるという期待があるからです。

そして、その期待値たるやかなりのもの。

もし、その期待が裏切られるような事があれば、患者様たちはとてもやりきれないでしょう。

事実、他院で不適切な矯正治療を受け、矯正への不信感や失望を抱き、

再治療やセカンドオピニオンを受けに当院へいらっしゃる方は、悲しいことに多いのです。

私は、マロニエ矯正歯科クリニックを選んでくれた患者様の期待を裏切りたくないのです。

何十・何百の人達の期待に応える事が、私の矯正歯科医師としての矜持です。

だって、裏切られたら悲しいですから。

さてさて、自分の誕生日が苦手な栗田くんは、あまり自分の誕生日を人に伝えなくなりました。

それでも、私の誕生日を祝ってくれる人達も居まして。

なんだかうれしいやら、恥ずかしいやらで戸惑ってしまいます。

きっと良かれと思って祝ってくれている人達に、感謝や喜びを伝えられているかな。

うまくリアクションできているかな、などと考えてしまう。

タジタジになってしまうので、やはり誕生日は苦手な私。

うれしいものはうれしいので、他人の誕生日はお祝いしてあげたいもの。

忘れられてたら寂しいですからね。ハッピーバースデイ、佐藤健。